1位 三国志(吉川英治)

新聞連載小説として、

中国の歴史小説「三国志演義」を参考にし、

戦時中の1939年から1943年まで四年に渡って連載されたものです。

戦後に単行本として刊行され、絶大な人気が出たものです。

 

劉備を主人公としたもので、

劉備・関羽・張飛の出会いから、

諸葛亮(孔明)の死後で物語は終わっています。

 

吉川英治の三国志は、

「劉備(蜀)=正義、曹操(魏)=悪」のイメージを、

日本人に植え付けた最初の小説だったと思います。

 

後にこの吉川英治の三国志が日本の三国志に多大な影響を与えています。

横山光輝の三国志(漫画)もこの吉川英治の三国志を参考に描かれています。

 

この小説は、十巻から構成されています。

  1. 桃園の巻(劉備・関羽・張飛三人の出会い~曹操による董卓暗殺未遂)
  2. 群星の巻(曹操の逃亡~李傕・郭汜による朝政壟断)
  3. 草莽の巻(献帝の長安脱出から~下邳の戦い)
  4. 臣道の巻(呂布の滅亡~関羽が曹操の下を去る)
  5. 孔明の巻(関羽千里行~三顧の礼)
  6. 赤壁の巻(孔明出蘆~東南の風を祈る)
  7. 望蜀の巻(赤壁の戦い~孫夫人が呉に戻る)
  8. 図南の巻(曹操が魏公に昇る~樊城の戦い)
  9. 出師の巻(華佗の治療(関羽)~孔明の第一次北伐出陣)
  10. 五丈原の巻(第一次北伐~孔明死後の魏延謀叛)

 

講談社・六興出版・新潮文庫などから出版されています。

読みやすさ ★★★★★
面白さ ★★★★☆
文章のうまさ ★★★★☆
時代の推移の分かりやすさ ★★★★☆
小説の知名度 ★★★★★
三国志普及への貢献度 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
魏伝 ★★★☆☆
呉伝 ★★★☆☆
蜀伝 ★★★★★
その他 ★★☆☆☆

2位 三国志(北方謙三)

北方謙三の三国志は、

 

吉川三国志と違って、

三国志の「正史」を参考に描かれています。

 

 

ストーリーや登場人物は、正史をもとに描写してはいるものの、

 

北方謙三氏の世界観を施すことで、

登場人物一人一人に非常に重きを置いたような描き方がされています。

 

 

正史をもとに記載しているだけあって、

 

「三国志演義」のフィクション等は、

取り除いた状態で描かれている所も見どころの一つです。

 

また「三国志演義」に出てこない北方三国志のオリジナルキャラクターも登場させています。

 

そして物語の終わりは、諸葛亮の死をもって完結となっており、

この点は吉川英治の三国志と一緒になりますね。

 

 

 

北方謙三の三国志は、十三巻から構成されており、

別巻(三国志読本)が存在しています。

  1. 天狼の星
  2. 参旗の星
  3. 玄戈の星
  4. 列肆の星
  5. 八魁の星
  6. 陣車の星
  7. 諸王の星
  8. 水府の星
  9. 軍市の星
  10. 帝座の星
  11. 鬼宿の星
  12. 霹靂の星
  13. 極北の星
  14. 別巻 三国志読本
読みやすさ ★★★★★
面白さ ★★★★★
文章のうまさ ★★★★☆
時代の推移の分かりやすさ ★★★☆☆
小説の知名度 ★★★★★
三国志普及への貢献度 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
魏伝 ★★★★☆
呉伝 ★★★★☆
蜀伝 ★★★★☆
その他 ★★★★☆