二虎競食の計
これは荀彧が提案した計略ですが、
どんな計略なのかをまず説明したいと思います。
「腹をすかせた二匹の虎の間に肉を投げ込めば、
二匹の虎は肉をめぐって争いを始め、
その二匹の虎はどちらかが死ぬまで続き、
勝った方も傷だらけなので、退治するのは簡単である。」
といったような計略で、漁夫の利に近い意味があります。
実践
呂布が徐州の劉備と手を組んだことに曹操は驚きます。
そこで荀彧が二虎競食(にこきょうしょく)の計を提案します。
呂布と劉備を戦わす事で、
生き残った方も打撃を受けているはずだから、
後は勝ち残った方を潰せばいいというわけです。
そこでまず肉となるものが必要になります。
劉備は陶謙の跡を継いで徐州を実質的に支配していますが、
正式に任命されたわけではありません。
そこで皇帝を抱えている曹操は、
皇帝に劉備を正式に「徐州の牧」に任命し、
その代わりに、呂布を討伐するように命令を出します。
結果
この二虎競食の計は、失敗に終わります。
失敗した理由としては、
今回劉備にしか肉が与えられていなかった点だと思われます。
もし呂布にも肉が与えられていれば、
結果は違っていたかもしれません。
それに併せて、今回の「徐州の牧」任命からの呂布討伐は、
皇帝からの命令とはいえ、曹操からの命令だというのが明らかすぎました。
計略が失敗した事で、劉備と呂布の結束は更に高まってしまいます。