曹一族であった夏侯尚の娘にあたる夏侯徽、
女性の立場でありながら、曹魏の繁栄を心より祈り、
旦那である司馬師との間で板挟みにあいながら、
三国時代を生きた夏侯徽について見てきます。
夏侯徽 -夏侯尚の娘-
夏侯徽は愛妾の死を悲しんで、
夜な夜な墓まで暴いて愛でたことでも知られる夏侯尚の娘になります。
ちなみに夏侯徽の兄には、
後に大将軍問題を引き起こして処刑された夏侯玄がいたりします。
そんな二人の母親は曹真の妹である徳陽郷主であり、
夏侯尚の正室になります。
夏侯尚と徳陽郷主の仲は、愛妾のせいもあって冷めきっていたようですが、
その中で授かった娘でもありました。
司馬師との縁談
優れた将軍であった夏侯尚の娘なだけあって、
夏侯徽も見識豊かな女性に育ちます。
そんな夏侯徽は、その頃勢いがあり、
将来有望とされていた司馬師に嫁ぐこととなります。
司馬師は、見識に富んだ夏侯徽を愛し、
何かある時にはいつも夏侯徽に相談していたといいます。
そんな二人の間には、
子宝にも恵まれて五人の子供を授かりますが、
不運にも後継ぎとなる男子が生まれることがありませんでした。
夏侯徽の最期
司馬一族の力が増していくにつれ、
夏侯徽は司馬懿を筆頭に司馬師・司馬昭らが
曹家に忠義を尽くすような人達でないことを感じ取り、
夫である司馬師と距離を置くようになっていきます。
一方の司馬師もまた、夏侯徽の存在が疎ましくなっていったことで、
司馬懿の意見も取り入れたのか、
最終的に夏侯徽を毒殺してしまったといいます。
それにしても夏侯徽は２１１年に誕生していますが、
２３４年に毒殺されている点を考えると、
あまりにも早すぎる生涯だったことと同時に、
色々なことが短期間にギュッと詰まった生涯だったのでしょう。
皇后の追号
不幸な最後を迎えた夏侯徽でしたが、
夏侯徽が亡くなってからの３２年後・・・
時は晋王朝の時代に入った２６６年、
夏侯徽の後に司馬師と結婚した三番目の妻であった羊徽瑜が、
晋皇帝であり、自分の甥にあたる司馬炎にお願いしたことにより、
夏侯徽の立ち位置に大きな変化をもたらします。
そして羊徽瑜の願いが聞き入れられる形で、
夏侯徽に「皇后」の位が追号されたのでした。
ただ夏侯徽が望んだものは「皇后」という位ではなく、
単純に夫とともに曹一族を盛り上げていく未来だったでしょうね。
