「孫権の酒癖の悪さ」はトップクラス
「孫権が酒癖が悪い」というのは、結構有名な話なんですが、
酒で失敗した逸話は、張飛の方がやはり有名だと思います。
とりあえず酒を飲んだがために、
大きな失敗をした場合のことが取り上げられやすいので・・・
ただ孫権の酒癖の悪さから比べると、
「張飛なんて全く酒による失敗なんてない」のですけどね。
そもそも張飛に関しては、正史に「酒」の一言も出てきません。
とりあえず張飛に関しては、「三国志演義」でのイメージがあまりに悪すぎるんですよね。
劉備が県令に任じられた際も、
賄賂を渡さなかった監査役の督郵を木につるして棒叩きをやったのは劉備なのに、
三国志演義では張飛が殴ったことにされていたりします。
他にも袁術討伐に向かった劉備が、留守になる徐州の守りを張飛に任せたのですが、
酒による失敗から呂布に徐州を奪われていますからね。
一方で「正史」での孫権の酒癖の悪い逸話は、数多く残されています。
孫権＆張昭の逸話
ある宴会の席で、酔っぱらってしまった孫権が、
臣下に向かって水をぶちかけ、
「今日とことんに酒を飲み続けようぞ」と
べろんべろんの状態でいいます。
水をかけられた一人の張昭は、怒り心頭で席を立ちます。
そうすると、孫権が張昭の後を追っていき、
「みんなで一緒に楽しもうとしてるのだけなのに、そ
んなに怒らなくてもよいではないか・・・」と言ったという話が残されています。
ただでさえ頑固者な張昭にとって、
いくら主君とは言えども、その態度が許せなかったのでしょう。
ちなみに孫権と張昭の逸話の中には、孫権が張昭の家を燃やしたなんて話もあったりします。
孫権＆虞翻の逸話
孫権が呉王になった時に祝いの宴会が行われます。
この時に孫権は、臣下の一人一人に酒を注いで回り、
無理やり飲ませるという迷惑っぷりを全開していました。
この時、虞翻という人物がいましたが、
酒を飲みたくなかったので、寝たふりをしていたようです。
寝てるなら仕方ないと孫権は虞翻に酒を注がずにやり過ごしましたが、
虞翻が寝たふりをしていたことに気づくと、孫権の怒りは頂点に達します。
「俺が注ぐ酒が飲めないなら、死んでしまえ」と抜刀する有様だったわけです。
これを見た周りの者達は止めに入り、虞翻は殺されずにすんだのでした。
ただ止められた時にここで終わらなかったのもまた孫権・・・
捨て台詞も結構ひどいんです。
「曹操は孔融を殺したことがあっただろう！
そして孔融の親友である虞翻を俺が殺して何が悪いだ！！」と・・・
虞翻を殺そうとした後に作られた新たな法律
虞翻を酒席で殺そうとしたことが後日に発覚すると、さすがに孫権も反省したといいます。
そこで新たに誕生したのが、
「私が殺すと誰かに言ったとしても、その相手を殺す必要のなきように・・・」
という新たな法律を作ったのでした。
このままでは本心ではない言葉の中で、
優秀な者達を殺害していしまう可能性があった為に作ったというような感じでしょうね。
また虞翻という人物も優れた人物ではあったものの、人の悪口や嫌味を平気で言うような人間でした。
「虞翻」と「孫権の酒癖の悪さ」は、まさしく「水」と「油」だったのでしょう。
ちなみに虞翻と麋芳の逸話も結構にひどかったりします。
「お前が劉備を裏切ったせいで南郡・公安が落ちているのに、
将軍を名乗ったりして恥ずかしくないのか！？」とか・・・
ちなみに糜芳を将軍に任じたのは孫権ですし、
麋芳の逸話以外にもこういった逸話が残っている人物が虞翻であったりします。
